nonmiのちょっと一言☆
☆☆nonmiとminnaの落書き帳☆☆
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『天空から坊ちゃん』
 かつて師として尊敬していた先生が、辛い思いで毎日を過ごされている事に、藤村操は心を痛めていた。
 声をかける事ができるならすぐにでも行って伝えたい。先生のせいではないと言う事を何とかして伝えたい思いだった。
 先生から苦しみを払いたい、そして今そばにいて先生を支えてくれている大切な人の存在に気付いて欲しい。

 操はその思いを白球に込めて、弟の一郎に託す事にした。
 もう今年で中学2年になる弟の一郎は、先生と同じ野球好きである。 操は野球をきっかけに先生が元気になる事を期待していたが、あの一言でその思いは届かないことを思い知らされるはめになった。

『貴様、盗人か!』
 もともと気の強い方ではない弟の一郎は、屋敷にボールを拾いに行った時、先生に怒鳴られた一言ですっかり舞い上がってしまっていた。
 
 そんな一郎を見かねてか、痺れを切らして声をかけてきた人がいた。
『正岡子規先生…』
『もう見ておれん。ほれっ、ボールをわしによこしてくれんかなもし』
そう言って、すっとボールを手に取り師の庭へそれを投げ込んだ。

『よっ、金之助!相変わらずあばたは元気でいるなぁ、髭なんかで隠そうとする根性が余計に見苦しいぞな』
 そう言いながらも、子規は金之助との再会を喜んでいた。

 もしかしたら、いや子規先生なら師の元気を取り戻してくれるかもしれない。
 操はそっと見守る事にした。

 しかし師の傷は操の思っていたそれより深いところにあるようで、子規が街の楽しさを伝え、坊ちゃん先生と元気を分け与え、教え子達の優しさも歌ったが、一向に金之助は大切な事に気付く様子がなかった。

『あいつは何もわかっとらん。鏡子と言う大切な人間がそばにいることを…あいつには基本から教えんとわからんぞな』

 最後の手段とばかりに子規は金之助を思い切って投げ飛ばした。そして、白球を取り出して金之助にむかってそれを投げた。

『取りやすいように、相手の胸元めがけてしっかり投げる』
『相手がどんなボールが飛んできても、しっかりと受ける』
心の会話、キャッチボールをもっとせい。子規はそれを伝えたかった。相手はお前の暴投を全部受け止めてくれとるぞ。

 金之助は頭を殴られた思いがした。
『大切な人…帰る場所か…』

 今そこにある花の匂いを嗅いで、共にいい香りだと喜び合える相手がいることが、どれだけ素晴しい事なのか。

 そして気が付いた。最初にボールを投げこんだのが誰だったのか。

 
 兄、操の面影をどこかに持ちあわせている一郎とキャッチボールをすると、優しい自分がいることに少し恥ずかしさを覚えたが、子規の言葉を胸にしっかりと受けた。

『これからは、いつでも遠慮しないでボールを取りに来なさい』
そう言って、静かにボールを投げ返した。


『天空から坊ちゃん』より
     
          nonmi☆


なぁ~んて、こんな視点でみても面白いぞなもしぃ~ヽ(´▽`)/

というか、『藤村操』(?字あってるのかっ?)さんが
ずっと、ストーリーを見守っている感じがしてたまらなかったの…。

深く考えすぎか?(~_~;)

あしたのは誰が主人公かなぁ~(笑)

作家のnonmiでした (・_*)\ペチ






  
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COMMENT

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名作です!
TAKE 1 | URL | 2007-06-09-Sat 13:31 [EDIT]
nonmiさん、素晴らしすぎますv-22
水底のシーンを知識不足の為に理解できないでいる私は
「よし、次は操さんについて紐解いてみよう」と思っていた所でした。
どうしよう…あと1回しか観るチャンスがないのに。
「アイ・ラブ・坊っちゃん」増々味わい深い作品です。

よっし~ | URL | 2007-06-09-Sat 22:15 [EDIT]
深いですね~(゜ロ゜;)
あの野球少年がそんなに重要人物とは・・・
今度の観劇がとっても楽しみになりました(*^-^)ニコ
早くみたいなぁ~

minri | URL | 2007-06-09-Sat 22:55 [EDIT]
nonmiさん、すごすぎる。
拍手拍手♪感動しちゃったv-238
明日もそう思いながら観てみます。

カール | URL | 2007-06-10-Sun 00:13 [EDIT]
nonmi☆さん、昨日はお会いできて嬉しかったです。

キャッチボールのシーン、深いですね。
最後に明るい気持ちで終われるのはこのシーンがあるからこそ。。。
ああ、でもnonmi☆さんみたいに言葉でうまく表現が出来ないです!
今日もnonmi☆さんの言葉に感動。。。
ありがとうございますっ!
TAKEちゃん☆
nonmi☆ | URL | 2007-06-11-Mon 12:55 [EDIT]
なにを、なにを…(^。^)
TAKEちゃんこそ、水底のシーンを深く理解されていて、さすがだなぁ~って思っていました。
舞台背景を知ると言うことは、舞台に深みをましますよねっ♪
よっし~☆
nonmi☆ | URL | 2007-06-11-Mon 12:57 [EDIT]
あひゃひゃっ♪
一郎君の解釈は、あたしの視線なので真実は異なりますよっ!きっと(^_^;)
でも、色んな視線でみるのもおもしろいじょー(^・^)b
minriさん☆
nonmi☆ | URL | 2007-06-11-Mon 12:59 [EDIT]
どうでした???
でも、余計なこと書いてしまったので、純粋な観劇の邪魔をしてしまったのではないかと心配です(>_<)
カールさん☆
nonmi☆ | URL | 2007-06-11-Mon 13:01 [EDIT]
あたしも嬉しかったぞなっ!
何を隠そう、あたしもかなりの文章べた…(^_^;)
書くのに結構時間かかってます(笑)
また、何か発見したら、小説シリーズ発表しまーーーすvv

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