nonmiのちょっと一言☆
☆☆nonmiとminnaの落書き帳☆☆
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小説風…
 夜8時を過ぎたホームは家路に急ぐ人の数も落ち着きを取り戻し、
急行が行ったばかりのホームには数人の人影が残るだけだった。
 次の各駅停車に乗る為に、私は白線の前で待つことにした。
 五分も待たないうちに、生暖かい風と地下鉄独特の匂いがホームに
滑り込んでくる。
 窓越しに電車の中を覗くと座れるほど車内は空いてはいなかったが、
窮屈なほど混んでもいないようだ。
 降りる人の流れが途絶え、中に乗り込むとわたしは扉に一番近い席の
前に立ってつり革を掴んだ。
 隣には七十歳は超えていると思われる老人の男性が立っている。
 老人の右側には、ヘッドフォンで音楽に聞き入っている学生が立ち、
自分の世界に入り込んでいる様子であった。
 私を含めた三人の前にはスーツを着た二人のサラリーマンと若い女性が
座っていたが、三人ともうつむき加減で寝入っている様子である。
電車が動き出して数分が経った頃、あたしの前に老人の手がゆっくりと
伸びてきた。老人は長椅子から天井に伸びているスチールのポールに
摑まろうとしている。
 異常なまでにゆっくりとした手の動きに、わたしはふと老人の手をじっと
見つめてしまった。
 よく見ると、老人の手は水が溜まったように浮腫んでいて、ポールを
掴む手にも力が入っていないようだった。
 もちろん頭の上にあるつり革まで手を上げる事が出来ないのは
すぐに想像できた。ブレーキのたびに転ばないようにと、私の前を横切る
その腫れあがった老人の手を見ていると、私は14年前に亡くなった母の足を
思い出した。
 肝臓をガンで侵されていた母の足はひざから下全体に水が溜まり、まるで
象の様にくるぶしが解らないくらい浮腫んでいた。
 母はそれでも、動けなくなるまで仕事に通っていた。サイズの大きい運動靴を
買ってきてまで…
――母もこんなに辛い思いをして闘っていたのだろうか

 目の前に眠り込んでいる3人が早く降りてくれればいいと思った。
降りるのを待つ前に、目の前の人を起こしてでもこの老人を座らせるべきだろうか。
心の中で少しの葛藤をしてみたが、私には目の前の人を起こす勇気がなかった。
 乗車してから、5つ目の駅に電車が滑り込んだ時、少年の前に座っていた女性が
立ち上がって出口に向かった。
 わたしは心の中で『老人を座らせてあげて――』
 祈るようにその数秒間を見守っていたが、少年はすかさず席に着こうと体を反転させた。
 でもその瞬間だった。老人に一瞬目が行くと少年は座りかけた腰をあげて
ヘッドフォンをしながらではあったが『どうぞ』と小さい声で老人に席を譲ったのだ。
 老人は何度も何度も頭を下げていた。

 わたしは間違っていた。
 少年の外見で『きっとこの子は譲らないだろう』と心のどこかで決め込んでいた。
 でもそれは嬉しい裏切りとなって、私の中で自分に対する戒めと不思議な安堵感が
心の中で入り交じった瞬間だった。
 十四年前の母の闘病と必死にポールを掴む老人、そして少年の思いがけない思い
やりのたくさんの感情に私の涙腺が緩んでしまったようだ。
 それがこぼれてしまわないように中吊りの広告を見上げたが、わたしには見出しの
大きな文字さえも読むことができなかった。


この間の金曜日の私の体験を『小説風』に書いてみました。

本当にこの老人は辛そうでした。
あたしも席に座れたときは、ぐっすりと眠ってしまう事があるのですが
考えてみると、途中から乗って来たご老人がいても気が付いていないっていうことですよね。
気をつけなくちゃって思いました。(でも、疲れていると寝ちゃうんだろうなァ~(ノ_・、))
座っていたサラリーマン達も、きっと悪気なんてないはずだし。。。
こんな情景だけで、ウルウル。(T0T)してしまうあたしは、ほんとに年をとってしまったのだと思います。

それにしても書くって本当にむずかしい。。。
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COMMENT

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よっしー | URL | 2008-05-26-Mon 19:43 [EDIT]
nonmiさん、すごい!
小説読んでいるみたいだった。文才あるんですね(^O^)
臨場感っていうか、その場の情景が頭に浮かんできましたよ。
ほのぼのした小説風nonmi日記でしたね
はなまるの三重まるを、あげましょう
よっしーさまっ♪
nonmi☆ | URL | 2008-05-27-Tue 09:03 [EDIT]
やったーーっv-438v-438v-438
三重まるのe-278は小学校2年生以来ですっ!
てかっv-222v-356
臨場感を出すって本当に難しかったです。
っていうか、まだまだ出来てないしv-388
お世辞でもうれしいのでしたっ!
おだてられてすぐに気に登ってしまうv-16さんなので (笑)

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